電気自動車か水素自動車か

日本ではトヨタ車を中心にハイブリット車が良く売れています。(2019年上期)1位プリウス、2位ノート、3位アクアといった具合で上位を占めています。。電気自動車は日産のリーフが有名です。ハイブリット車は電気自動車への移行への過渡期の産物といえます。

地球温暖化の原因といわれているCO2排出抑制の意味で電気自動車の普及が近々の課題となっています。フランスは極端で2040年までにガソリン、ディーゼル車の販売を禁止すると発表しています。

CO2を排出しなくても、電力を作るために化石燃料を燃やしたら元の木阿弥です。原発大国フランスらしい魂胆が透けて見えます。

電気自動車の欠点はバッテリーの能力による航続距離の短さ、充電時間の長さ、充電する場所インフラの未整備です。

日産のリーフの場合、平地・暖房無しの条件で250キロメートル程度です。街乗り程度にしか使えないのが現実です。

その欠点を克服するのが、バッテリー能力の向上です。その切り札が全固体電池の開発です。商品化にはまだまだ問題があるようですが、トヨタは2020年代中の実用化を目指しています。最近ではリチュウム電池に代わるナトリウム電池の研究も進んできているようです。ナトリウムはリチュウムに比べて埋蔵量が多く、資源の偏在の問題がないというメリットがあります。

電気自動車は内燃機関自動車と比べて圧倒的に部品が少なく済み、エネルギー効率的にも内燃機関より優れており、再生可能エネルギーから発電した電気を利用すれば地球にやさしい交通手段になります。

これからバッテリーを制する者がメーカーの覇権を握ることになることでしょう。

一方、燃料電池車ですがトヨタがミライ、ホンダがクラリティを発売しています。まだ試験的要素が強く、価格、水素ステーションの問題など普及はまだまだです。

燃料電池車の利点は航続距離でミライで650キロメートルとリーフと比べて段違いです。水素燃料の補給に満タンで3分とのことで全然短いです。

水素ステーションの普及、設置コストがネックとなっています。燃料電池に使われる貴金属の問題、爆発の危険のある水素のタンクの問題などコストなどデメリットがたくさんあります。

最近水素の安全に安く運搬する手段としてアンモニアが注目されています。液化水素に比べて液化アンモニアはコスト的に全然安いうえに従来のインフラが使えるというメリットがあります。

また低コストでアンモニアを合成する技術も日本で確立されました。アンモニアによる水素運搬の技術が確立すれば燃料電池車の普及の強力な追い風になることでしょう。

どちらにしろ災害時のバッテリーの意味もあって普及が進むことでしょう。

両者のかぎを握っているのは日本の技術とメーカーです。それに自働車の肝となるモーターの技術も日本がリードしています。

これからの自働車は電子部品の塊となるでしょう、日本のメーカーに技術力で太刀打ちできない欧米のメーカーは自働運転をはじめとしてソフト面で覇権を握ろうとしていると思われます。

日本のメーカーは過去にPC,スマホ、配信事業などソフトの面で敗れ去った苦い経験があります。

鉄道技術、インフラ、運航システムのソフト面でも日本は世界をリードしています。道路での交通の世界でも日本が世界をリードすることを期待しています。